大前研一流「ロウアーミドル攻略法」

もう10年以上前ですが、大前研一さんの「日本は確実にロウアーミドルの国になりつつある」との意見が話題になりました。今日はその攻略編で、「ロウアーミドルの攻略法」について、大前研一さんのメルマガより、ポイントをご紹介したいと思います。

 

大前研一流「ロウアーミドル攻略法」
1,日本企業はこれからますます進む所得階層の二層化に対して、方向性、ブランディング、集積構造、
  価値設計等の点を改めて考え直し、実行に移す必要がある。
2,「全ての人、いらっしゃいじゃダメ」。アッパーか、ロウアーか、ダブル・セグメント戦略かをハッキリさせる。
3,但し、ダブル・セグメント戦略で成功した企業は非常に少ない。クオリアで失敗したソニーは良い例。
4,小売業はロウアーへのアプローチが必須の業界。GMSの凋落、ヘビーディスカウント全盛の時代となった。
5,日本の小売りの百貨店が、いまだに店舗改装を繰り返しているのはナンセンス。
6,百貨店のターゲットであるアッパーミドル(年収600~1000万円)やアッパークラス(年収1000万円以上)は、
  今や過疎のゾーン。従って百貨店は構造不況業種であることを認めないと、負のスパイラルに落ち込む。
7,一方ロウアーミドル(年収300万~600万円)は非常に大きなボリュームゾーン。この層が好景気を牽引する。
8,ロウアーミドルクラスのニーズは、「価格はロウアー、センスはアッパーミドル」にある。
9,このターゲットを攻めるには、徹底的にコストを削減し、不要なチャネルをカットする必要がある。
10,例えばナチュラルキッチンは、低価格業態に輸入雑貨というプラスアルファを加えることで成功している。
11,中国等で製造してコストを抑えつつ、輸入雑貨のセンスを踏襲して、「なんちゃって自由が丘」で成功。
12,ザラは、スピードと効率、ジャストインタイムを徹底し、回転率を上げて、売れ残りを減らして成功。
13,2つめの攻略法は、「ステータス性」よりも「実用性」を重視すること。
14,3つめの攻略法は、「ストック消費をフロー化させること」。レンタカーや賃貸アパートがこれに当たる。
   今後は、「センスはアッパーで価格はロウアーな、小ぎれいな賃貸アパートが増えていくはず」。
15,4つめは、「ITの活用」。ハイタッチなサービスをIT化によって、ローコストで実現する。

 

 

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大前研一さんの発想法を学ぶ格好の本です。近々続編が出るとか。