野村総研発「第3の消費スタイル」とは何か?

ずいぶん前に、ウォルマートコストコ等の外資系流通企業の日本参入が話題になりましたが、結果は余り宜しくなかったようです。
ウォルマートなんて世界的に大企業が成功を収めているのに何故、日本ではうまくいかないのか? 理由は1つではないかも知れませんが、日本市場には日本社会に根ざした「第3の消費スタイル」があり、それを理解していないがために、外資系流通大手がうまくいかないんだと、主張するのが、今日ご紹介する「第3の消費スタイル」(野村総研)と言う本です。
本書によると、今の日本市場を左右しているのは、「利便性消費」と言われる第3の消費スタイルだそうです。
一体、それはどんなものなのでしょうか?
例によってポイントをご紹介します。

 

野村総研発「第3の消費スタイル」とは何か?
1,日本人の消費スタイルには、「安ければよい」と「よいモノにはお金を出す」と言う消費の二極化の傾向が
  見られるが、この2つだけで語られるほど単純なものでもない。「第3の消費スタイル」が存在する。
2,野村総研の調査の結果、日本人の消費スタイルには4つのパターンがあることがわかった。
3,①自分のお気に入りに拘り、値段は少々高くても良いと考える『プレミアム消費』
4,②モノに対する拘りはなく、安ければ安いほど良いと考える『安さ納得消費』
5,③モノに対する拘りはなく、かつ価格もそれほど気にしない『利便性消費』
6,④モノにも、低価格にも拘る、『徹底探索消費』。但しこのスタイルの日本人は少ない。
7,第3の消費スタイルである『利便性消費』こそ日本人に占める割合が一番大きい。
8,団塊の世代に多く見られるので、今後の消費が考える上で、非常に注目すべき消費スタイルである。
9,利便性消費が発達した背景には、日本人の就労時間の長さ、収入が豊かなことがある。
  つまり、お金はあるので、価格の安さよりアクセス時間の短さを重視したのだ。
10,今後の日本市場を攻略するには、従来の4Pに加え、「利便性の提供」が大きなファクターになる。

 

 

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↑なかなかユニークな話で、マーケティング関係者必読の本です。